赤ちゃんのパスポートを申請するとき、いちばん手こずるのが写真です。首がすわる前の赤ちゃんは座れませんし、写真館に連れて行っても泣いてしまったり、そもそも撮影を断られたりすることもあります。
実は、赤ちゃんのパスポート写真は自宅でスマホでも撮れます。外務省は、座れない赤ちゃんを白いシーツなどに寝かせて真上から撮った写真でも問題ないと案内しています。この記事では、外務省の規格に沿って、自宅で失敗しない撮り方を順番に説明します。

自宅・スマホで撮った写真は使える?
使えます。外務省の規格は「どこで撮ったか」ではなく、「規格に合っているか」で判断します。
- オンライン申請:申請中にアプリで撮影することもできますし、あらかじめ用意した顔写真データをアップロードすることもできると外務省が案内しています(オンライン申請における顔写真および自署画像の注意点)。
- 窓口(紙)申請:写真館で撮ることは求められていません。規格に合った写真を、写真専用の用紙に鮮明な画質で印刷したものを提出します(旅券用写真についてのお知らせ(PDF))。
撮った写真をサイズに合わせる作業が面倒なら、スマホで撮った赤ちゃんの写真をパスポート用のサイズに整えることもできます。目や影、手の写り込みもその場でチェックできます。
まず押さえたい規定のまとめ
赤ちゃんでも大人と同じ規格が適用され、そのうえで乳幼児向けの注意があります。外務省のパスポート申請用写真の規格とPDFから、赤ちゃんに関係するものをまとめました。
| 項目 | 規定 |
|---|---|
| サイズ | 縦45mm×横35mm、縁なし |
| 顔の大きさ | 頭頂からあごまで34±2mm |
| 余白 | 頭頂から上端まで4±2mm、あごから下端まで7±2mm、頭の両側に各2mm以上 |
| 背景 | 白を推奨。無地でグラデーション不可。影や物が写らないこと |
| 目 | 開いていること(乳幼児でも目を閉じた写真は不可) |
| 写り込み | 支える人の手や腕、体の一部が写っていたら不可 |
| 寝かせて撮影 | 座れない場合は白いシーツ等に寝かせて真上から撮影してよい |
| 加工 | 変形やマスキング等の画像処理、左右反転は不可 |
| 撮影時期 | 申請日前6か月以内 |
| 紙の申請 | 1枚。裏面に申請者の氏名を書く |
| オンライン申請 | 600×730px、jpg、600KB以内(マイナポータル) |
準備するもの
- 白い無地のシーツ(柄や織り模様のないもの。しわはできるだけ伸ばす)
- スマホ(いつも使っているカメラアプリで大丈夫です)
- 明るい部屋(昼間の窓際など、顔に影ができにくい場所)
- 赤ちゃんの気を引くもの(音の鳴るおもちゃなど。写真には写さない)
- できればもう1人の大人(あやす係と撮る係に分かれると楽です)
白いシーツに寝かせて真上から撮る手順
- シーツを敷く:床やベッドに白いシーツを広げ、しわを伸ばします。頭のまわりに余白が十分できる広さにしてください。
- 赤ちゃんを寝かせる:顔がまっすぐ上を向くように仰向けに寝かせます。頭の下にタオルなどを入れて傾きを直すときは、白いものを使い、写真に写らないようにします。
- 光を確認する:窓からの光が顔の片側だけに当たると影ができます。顔全体が均一に明るくなる位置に動かしましょう。部屋の照明が真上にあると、撮る人の影が赤ちゃんに落ちやすいので注意します。
- 真上から構える:スマホを赤ちゃんの顔の真上に、画面と顔が平行になるように構えます。斜めから撮ると顔の形がゆがんで見えます。少し引いて、頭と肩まで余裕をもって入れておけば、あとから切り抜けます。
- 何枚も撮る:目が開いて正面を向いた瞬間を逃さないよう、連写でたくさん撮ります。いい1枚が撮れるまで、赤ちゃんのペースで何回かに分けてかまいません。
背景は白・無地に。背景の加工はしない方がいい理由
外務省は背景を白色にすることを推奨しています。うすい青などの背景も受け付けられますが、グラデーションは不可です。また、背景に柄がある、凹凸のある布を使っている、物が写り込んでいる、背景の色が濃すぎる、髪や服と背景の境目がはっきりしない、といった写真は不適当の例として挙げられています。

「背景 加工」で白くしてもいい?
ここは慎重に考えてください。外務省の規格では、「変形やマスキング等の画像処理」をした写真は不適当とされています。アプリで背景を切り抜いて白に置き換える処理がこれに当たるかどうかは、外務省のページには明記されていません。ただ、マスキング(切り抜き)にあたると判断されれば、写真を撮り直すことになります。また、神奈川県の旅券窓口は「画像を修正するなど加工処理をほどこしたものは受付できません」と明記しており、同じページで、座れない赤ちゃんは白いシーツに寝かせて真上から撮った写真でも問題ないとしています。
そのため当サイトでは、日本のパスポート用の写真では標準で背景の加工を行いません(「背景をきれいにする」オプションはありますが、初期設定はオフで、使うと受け付けられないおそれがあります)。白いシーツに寝かせて撮れば、加工しなくても背景は白くなります。いちばん確実なのは、最初から白い背景で撮ることです。
同じ理由で、美肌補正やフィルター、目を大きくする機能などもオフにしてください。目の拡大や美白、ほくろやしわの修整など、本人の容貌を変える加工をした写真は不適当とされています。
目は開いていること(新生児でも同じ)
日本の規格では、乳幼児でも目を閉じた写真は不適当です。国によっては赤ちゃんの寝顔が認められることもありますが、日本では使えません。
- 授乳のあとや、昼寝から起きて機嫌のいい時間を狙う
- 撮る人の後ろから、もう1人が声をかけたり音を鳴らしたりして視線を集める
- まぶしくて目を細めないよう、強い光が直接目に入らないようにする
目のまわりに髪がかかったり、その影が落ちたりしていても不適当になります。前髪がある子は、目にかからないよう整えてから撮りましょう。

口が開いてる写真・笑顔の写真は使える?
赤ちゃんの口や表情について、外務省は乳幼児向けの特別な基準を示していません。一般の規格では、口角を上げるなど容貌が大きく変わる表情の写真は不適当とされています。
- 大きく笑っている写真は避け、口を閉じた自然な表情の写真を選びましょう。
- 口が少し開いているだけの写真がどう判断されるかは、公式の案内に明記されていません。迷ったら、口を閉じた写真を選ぶのが安全です。
服と髪:白いシーツに白い服はNG
髪や服と背景の境目がはっきりしない写真は不適当とされています。白いシーツの上に白い肌着で寝かせると、肩のラインが背景にとけ込んでしまいます。色の付いた無地の服を着せると境目がはっきりします。
髪の色がうすい赤ちゃんは、髪の輪郭が白い背景にとけ込んでいないか確認してください。
手・おしゃぶり・おもちゃは写さない
支える人の手や腕、体の一部が写っている写真は不適当です。抱っこして撮る場合も、寝かせて撮る場合も、大人の手が画面に入らないようにしてください。手が写った写真は、手だけを消すと頭の輪郭まで変わってしまうので、撮り直すのが確実です。
おしゃぶりやおもちゃについての個別の規定はありませんが、背景には物が写らないこと、という一般の規格があります。おしゃぶりは外し、おもちゃは写らない位置で使いましょう。

スマホで撮るときの設定と注意
- 左右反転に注意:左右反転した写真は不適当です。インカメラ(自撮り用カメラ)は自動で反転して保存されることがあるので、外側のカメラで撮るのがおすすめです。
- ピントとぶれ:ピンぼけや手ぶれも不適当になります。画面の顔の部分をタップしてピントを合わせ、明るい場所で撮りましょう。
- 画質を下げない:強い圧縮によるノイズやギザギザも不適当とされています。撮った写真は、元の画質のまま使いましょう。
規格サイズに合わせる
撮った写真は、縦45mm×横35mmの枠の中で、頭頂からあごまでが34±2mmになるように切り抜きます。頭頂から上の余白は4±2mm、あごから下は7±2mm、顔の中心は左右の中央にそろえ、頭の両側にはそれぞれ2mm以上の余白が必要です。
髪がふんわりして頭頂がわかりにくい場合、外務省は「目からあごまでの長さ」をもとに頭頂の位置を推定して合わせる方法を示しています。
手作業で合わせるのは大変なので、撮った写真をアップロードして45×35mmに自動で切り抜くと、印刷用シートとオンライン申請用の画像を一度に作れます。
コンビニで印刷する方法
紙で申請する場合は、写真を印刷して1枚提出します。
- 45×35mmの写真を並べた印刷用シートの画像を用意する
- コンビニのプリントサービスなどで、写真用紙に印刷する(普通紙のコピーは使わない)
- 写真を枠に沿って切り取る。縁が残らないように切る
- 裏面に申請者(赤ちゃん)の氏名を書く。表に書いた跡が透けないよう、強く書きすぎない
外務省は、写真専用の用紙を使い、鮮明な画質で印刷するよう案内しています。インクのにじみや印刷の網点が目立つ写真は不適当になるので、仕上がりを確認してから切り取りましょう。

オンライン申請(マイナポータル)と窓口申請の違い
| オンライン申請 | 窓口(紙)申請 | |
|---|---|---|
| 写真の出し方 | 画像をアップロード(申請中にアプリで撮影も可) | 印刷した写真を1枚提出 |
| 写真の形式 | 600×730px、jpg、600KB以内(マイナポータル) | 縦45mm×横35mm、写真用紙に印刷 |
| 海外から | ORRネット:jpg/jpeg/bmp/png、20KB〜2MB | 在外公館の案内に従う |
オンライン申請では、ファイルが600KBを超えると自動で圧縮されます。外務省のQ&Aでは、アプリでの撮影でエラーがくり返し出る場合、スマホに保存した画像をアップロードする方法も案内されています(国内からオンライン申請する)。
子どもの申請は、法定代理人(親など)が手続きを行います。申請の流れや必要書類は、外務省の申請に必要な書類や、お住まいの都道府県の旅券窓口の案内で確認してください。
提出前のチェックリスト
- 目が開いていて、正面を向いている
- 背景が白く無地で、影・柄・しわ・物が写っていない
- 大人の手や体、おしゃぶり、おもちゃが写っていない
- 顔や背景に影がなく、ピントが合っている
- 口を閉じた自然な表情
- 服や髪と背景の境目がはっきりしている
- 背景の加工、美肌補正、左右反転をしていない
- 45×35mm、頭頂からあごまで34±2mm
- 申請日前6か月以内に撮影した
- 紙の場合は写真用紙に印刷し、裏面に氏名を書いた
よくある質問
新生児でもパスポート写真は撮れますか?
撮れます。座れない赤ちゃんは、白いシーツなどに寝かせて真上から撮ってかまいません。ただし目を閉じた写真は使えないので、起きているタイミングを狙いましょう。
背景が少しグレーっぽくなってしまいました。加工してもいいですか?
背景を切り抜いたり塗りつぶしたりする加工は、「マスキング等の画像処理」と判断されるおそれがあるのでおすすめしません。部屋を明るくする、シーツのしわを伸ばす、影ができない位置に動かすなどして撮り直すのが確実です。
口が開いている写真しか撮れません。使えますか?
乳幼児の口元についての明確な基準は公式の案内にありません。一般の規格では表情で容貌が大きく変わる写真は不適当とされているので、少し時間をおいて、口を閉じた写真を撮り直すのが安全です。
